- 本物の魔王の死“とともに世界を支配する黄都からの独立を宣言したリチア新公国。 二つの国が引き起こした新魔王戦争は、 圧倒的な力を振るう修羅たちの激突によって、 凄惨な破滅という結末を迎えた。 しかし、世界にはまだ時代を変革しうる逸脱の存在がある。 あらゆる能力や種族の頂点を極めた修羅たちと、 それを利用すべく謀略を巡らす者たちが一点に集うとき、 宿命と凶兆が交差し、すべてを灰燼に帰す大いなる厄災が訪れる。 “本物の魔王”が何者かによって倒された。 恐怖の時代は終わったかに見えたが、単独で世界を変革しうる “最強”たちが新たな脅威となった。 リチア新公国はこの力をもって、 覇権国家である黄都との全面戦争を開始。 最強の修羅たちが激突した戦争は、壮絶な破滅とともに幕を閉じた。 しかし、世界には今なお逸脱の力をもつ者たちが存在する。 能力の頂点を極めた修羅と謀略を巡らす者。 それぞれの思惑が交差する時、 すべてを灰燼に帰す大いなる厄災が訪れる。
- 400年前――魔法士ラナクの裏切りにより魔力を暴走させ、 魔法大国トゥルダールを一夜にして滅ぼしたティナーシャ。 その忌まわしい過去はオスカーによって改変され、 世界は“青き月の魔女”が存在することのない新たな時を刻み始めた。 ティナーシャはトゥルダールの女王に即位し、やがて長い眠りにつく。 すべての苦しみから自身を救い、愛を告げて消滅していったオスカーと 遠い未来で再び出会うために……。 そして、400年後――書き換えられた世界のオスカーがトゥルダールを訪れる。 目覚めたティナーシャとの間に、共に過ごしてきた思い出は何ひとつない。 消え去った世界で結ばれたことさえ知らぬ二人は、 ここからどんな物語を紡いでいくのか――。